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コラム 牧師の書斎から

2008年5月25日号 小平牧生師

問題というのは次々に起こってくるものです。一つの問題を乗り越えてやっと少し安心できるかなと思ったら、また次の問題がやってきます。しかし、それは見方を変えれば「生きている」ことのあかしなのですね。旧約聖書の箴言に「牛がいなければ飼い葉桶はきれいだ」(14:4)という言葉がありますが、牛がいることは飼い葉桶が汚れるということです。きれいにしようと思うあまりに飼い葉桶から牛を追い出してしまうというようなことを、私たちはしてはいけません。

問題に直面する時に、私たちはその問題の原因や解決方法について考え悩みます。ところが神様は、たとえばモーセに対してその妨害に対する具体的な解決策はまったく教えて下さいませんでした。神様がモーセに対して語られたのはただ「わたしはヤハウェ(神)である」ということだけ。それを何度も繰り返されるのです。「わたしはヤハウェ(神)である。」

人生の問題を解決する力は、私たちが信じている神様がどのようなお方であるのかを知ることから来ます。私たちが信じる神様を徹底的に信頼することです。状況を見ながら神様に頼ろうとする人がいますが、中途半端な姿勢ほど苦しいものはありません。そういう信仰はむしろ苦しみを与えるだけであって、私たちの心から喜びや確信を奪い去ってしまうのです。私たちはどんな状況の中でも神様を信じるのです。「鼻で息をする人間をたよりにするな。そんな者に何の値うちがあろうか。」(イザヤ2:22)