ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2008年6月22日号 小平牧生師

みなさんおはようございます。梅雨の時期に入りましたがいかがお過ごしですか。みなさんの健康が守られるように祈ります。

今月は、私が成増教会とともに牧師として仕えている西宮教会の満50周年を迎えます。西宮というのは阪神タイガースの本拠地である甲子園で有名ですが、1995年の阪神大震災の被災地としても注目されたところです。実は私はあの震災までは「大きな教会」を建てることをひそかに目標にしていました。

実際それなりに上手く進んでいたのです。ところが震災によって交通が遮断されて人々が礼拝堂に集まることができなくなった時、ある人は家庭で集まって礼拝をしたり人々を助けたりしましたが、ある人は教会に行けないことがそのまま礼拝はお休みということになってしまいました。その現実は、私の牧師としての目標を転換させました。いくら礼拝堂に人々を集めたところで、震災が起こったり迫害が起こったらみんな散らされてしまう。自分がやってきたことは何だったのか。人々が集う恵まれる礼拝は準備したかもしれないけれども、礼拝する人を育てることをしなかったと思いました。「使徒の働き」に記されているように、迫害で散らされたところでも礼拝して伝道するような人々を育てなければならない。たとえて言えば、自分の霊的な食事を誰かに食べさせてもらうのではなく、自分の食事は自分で作れるだけではなく、自分だけではなく隣人にも作って上げられるような人を育てようということです。それから10年あまり何家族かを開拓伝道に送り出しました。歩みはまだまだですが、この50周年を機にさらに前進したいと願っています。そのようなわけで今月は西宮の働きに時間をいただくようにします。しかし、いつも以上に、皆さんの名前の書いたノートを繰りながら祝福を祈ります。