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コラム 牧師の書斎から

2008年6月29日号 小平牧生師

今日6月29日は、西宮教会(ニューコミュニティ)の満50周年の記念日です。実は、西宮教会の最初の礼拝は、成増教会の山本久子さんがその当時兵庫県の西宮市に住んでおられたそのお宅を会場に行われました。山本さんは現在102歳というご高齢ですのでご存じない方もおられるかもしれませんが、横田順子さんと坂上直子さんのおばあさんです。私の父はそれまで神田の明治大学の前にあった本部教会の副牧師でしたが、ある事情で本部教会が閉鎖され建物も売却されることになり、主任牧師の先生は大久保に移り、信徒の方々もいくつかの教会に別れることになって、行くところがなくなってしまったわけです。かといって出て来た実家に帰るわけにも行かず、予定されていた先生がお病気のために赴任できなくなった西宮の地に、生まれて2か月のかわいい男の子を連れて赴任したのです。そのかわいい男の子とはだれのことかお分かりですね。しかし西宮には数名の婦人の方々がおられるだけで、教会の建物があるわけではなく、そこでとりあえず落ち着いたところが山本さんの家の四畳半だったのです。 教会の閉鎖+任地なし+お金なし+知り合いなし+乳飲み子あり。これは最低の状態ですね。でもあらためて、神様の御業は何もないところから始まるのだなあと思います。いやそれどころか、「使徒の働き」を見ると迫害の結果アンテオケ教会が生まれており、それはゼロではなくマイナスからです。私たちには「石ころからでもアブラハムの子孫を生み出すことのできる方」(マタイ3:9)がおられます。現状を見て落胆する必要はまったくありません。むしろ多少のより頼むものがあるから失敗するのです。