ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2008年7月27日号 小平牧生師

一人の若い死刑囚がいました。彼は王様の一人息子を殺したかどで死刑が確定していたのです。彼はその死刑がいつ執行されるのかをびくびくしながら過ごしていましたが、ある日突然、王様から彼の無罪放免の命令が出ます。彼はあまりの思いがけない出来事に驚きつつ看守から見送られて刑務所から解放されます。ところが、刑務所を出たところに待っていたのは、自分が殺した息子の父親である王様でした。驚いた彼は何かを言おうとしますが、そのことばを遮るようにして王様は彼に言います。「何も言わないでもいい。わたしはあなたを赦した。そしてあなたは今日からわたしの息子だ。」王様はそう言って、彼を抱いて、彼の指に相続人の指輪をはめてくれました。

そうして、彼は王様の家で新しい生活を始めます。王様の豊かな愛の中で過ごす生活は彼にとっては天国のようでした。しかし、一方では彼の古い性質と新しい家でのきよい生活の戦いもし烈なものでした。時には大きな失敗をし、新しい父親に叱られることもあります。自分のだめな姿に、自分はこの家より刑務所がふさわしいとさえ思うような時もありました。でもそのたびに、父親の温かい励ましによって父の愛を確信することができました。そして父親を愛する彼は、だんだんと考え方もことばも父親に似てきました。

以上は、ある本からの引用ですが、私たちはこの男のようですね。罪が赦され、神の子とされました。しかし、それでも自分の古い性質との戦いがあります。けれどもそれは父親の息子とされた証明でもあります。自分を見て失望しないで、父親である神様の愛を信じましょう。今週も、聖書のみことばを読んで、神の愛のことばを心に蓄えましょう。