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コラム 牧師の書斎から

2008年8月3日号 小平牧生師

飛行機の中で「信頼はトレーニング」という文章を読みました。いつものようにそっと破り、自分のノートに挟みました。みなさんにもお分かちします。教会の働きにともに取り組んでいる私たちにとって大切なことがあるように思いますが、どうでしょうか。・・・
私が学生の頃は、よくハチ公の前で人と待ち合わせをしました。待ち合わせというのは、今思えば結構ドキドキするものでした。私は時間にうるさい方でしたから5分ぐらい前に行って待つ方なのですが、待っている間というのは、いろいろなことを思うものです。時間になっても相手が来なかったりすると、5分ぐらいはいいのですが、10分、15分となるといたたまれなくなります。最近は待ち合わせに遅れても大丈夫です。携帯電話があります。
「ごめん、あと5分でつくからね」
「今どこ?」
「渋谷だよ」
携帯電話ができて、とても便利になりました。ほとんどの人が持っていて、今やメールまで使えるようになりました。でもですね、待ち合わせで、相手は本当に来るんだろうかと気をもみながらも、「きっと来るに違いない」という相手を「信じる」気持ちは失われたように思います。人を信用するのは能力です。
相手が信用できる人間かどうかを見分けるのも能力なら、来ると信じるのも能力なんです。だまされないことは大事ですが、信じるのも大事です。確かに期待を裏切られることが多く、夢も色あせる毎日です。しかし、人を信じる練習をしなければ、人とチームを組んで何かを実現するという醍醐味を味わうこともないでしょう。・・・