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コラム 牧師の書斎から

2008年9月14日 小平牧生師

ヘンリー・ナウエンという人が、ある書物に「霊的に成長することは『人生を祝う』ことができるようになることである」と書いています。

クリスチャンホームに生まれた私でしたが、学生時代まで信仰がすっきりしなかったのです。今思うと、その原因は決して神様を信じていなかったからではなくて、自分が好きでなかったのだと思います。そのためいつもちがう自分を夢を見るというか、過ぎたことを思って悔やんだり、他の人をうらやましく思ったりしました。しかし今、私はナウエンの言葉を、私なりにこう言います。「神様を信じるとは、自分の人生を祝い喜ぶ人生です」と。

これは私の実際的な信仰告白です。自分の人生は一つしかない。それは、他にもっと別の人生があるというような幻想を捨ててしまうことでもあります。現実の人生には、喜びだけではなく苦難もあります。悔やむことも、もう一度やり直したいと思うこともいっぱいあります。しかし私たちが「人生を祝う」ということは、喜びと悲しみ、成功と失敗、得たことと失ったことなどを含めて、全部を喜ぶことです。良いと思えなくてもこれが私のただ一つの人生であり、神様が与えて下さった私の最善の人生です。私たちの教会にも様々な出来事がありました。喜びと悲しみがありましたし、希望の時も落胆した時も、愛し合った時も争った時もあります。人に伝えたい誇らしげなこともあれば、隠したいこともあります。しかし、その全部が私たちの教会なのです。そして私たちが神様を信じるとは、そのすべてを主にあって喜ぶことです。

私たちはお互いに祝福し、喜びましょう。良いことだけを取り上げて祝い、自分たちの力の部分だけ喜んでもそれが何になるでしょう。そんな人はどこにでもいます。すべてを喜びましょう。私たちは神様を信じているのですから。