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コラム 牧師の書斎から

2009年1月18日 小平牧生師

阪神大震災から満14年を迎えました。今も癒されない痛みや悲しみの中におられる被災者の方々に、神様の慰めと必要な助け手が与えられるように、また私たちがその一人とさせていただけるように祈ります。

哲学者の森有正氏は「体験と経験」について述べています。私たちはいろいろな体験をしますが、その体験の前と後の人生が変わらないのが「体験」。しかし、その体験を深く掘り下げ、それ以後の人生が以前と変わったのが「経験」というそうです。震災直後は「自分の人生は変わった」と思った人々も、14年という時間を経て、もちろん表面的には様々な変化があったでしょうが、

「結局は変わらなかった」というのが正直なところではないかと思います。第二次大戦も大震災もバブル崩壊も家族の死さえも、ある人には「体験」でしか終わらない。「大変だった。」「もう二度と体験したくない。」「あんなことは懲り懲りだ。」それで終わってしまうのです。

人は変わらないのです、少なくとも外側からは。どんな大きな出来事によってもです。ある人々は神様に奇跡を求めます。しかしそれもやっぱり「体験」で終わります。しかし、私たちの人生を変えるのは、イエス・キリストの十字架を自分の「経験」とすること以外にありません。

「まことに、まことに、あなたがたに告げます。人は新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。」(ヨハネ3:3)

人は新しく生まれなければ。「新しく」とは「上から」の意味です。つまり神によってのみ私たちは生まれ変わることができるのです。あなたは、神によって新しく生まれていますか。イエスキリストによる「新生の経験」がありますか。あなたがクリスチャンであるということは、他の人々と何が決定的に違うのですか。