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コラム 牧師の書斎から

2009年2月15日 小平牧生師

しばらく前の話題ですが、十両の若麒麟という関取が大麻取締法違反容疑で逮捕されました。相撲界に不祥事が続いており周囲が注目する中で、相撲協会が彼を除名ではなく解雇処分にしたことが話題になりました。武蔵川理事長は、「彼は年齢も若く、第二の人生のことを考えればかわいそうだと思う」と説明しましたが、周囲からはずいぶん処分が甘いと批判されたようです。その翌々日、北京五輪の男子競泳で8個の金メダルを獲得したマイケル・フェルプス選手が同じように大麻を吸引していたことが明るみになりました。ニュースには、彼が大麻を吸っている写真まで流され、彼がインタビューに答えて、「自分は愚かだった。こんなことは再び起こさない。犯したミスから学んで良き人間になる。これからのことは、身を引くとしても引かないとしても、自分自身で決める」と語った内容も掲載されていました。しかし私が驚いたのは、国際水泳連盟が「自分自身の行為について公に謝罪した若き王者に感服し、信頼する」という声明を出したことです。国際オリンピック協会もこれ以上特別に問題視しない方針を示しています。
大麻の取締りについての法律が国によって異うことやプロとアマチュアという立場の違いなどはあっても、この問題に関わらず、なぜここまで社会の反応が違うのかと思います。私がここで寛容なことを言うと批判されるかもしれませんが、もちろん罪は罪として、しかし、罪を悔い改めたならばその人の回復の道を応援しようとする社会と、一度罪を犯したら絶対に忘れずにその人に生涯にわたってレッテルを貼り続ける社会。本当に私たちの国はこれで良いのだろうかと思います。みなさんはどう思いますか。私は、これを変えることができるのはクリスチャンのはず、と思うのです。なぜならば、だれよりも自分が赦された者であるということを知っているからです。ところがこれ以上はいいませんが、どうも違うことが多いのです。WWJD。