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コラム 牧師の書斎から

2009年6月28日 小平牧生師

「自分らしい人生を生きたい。」だれでもそのように願っているのではないでしょうか。しかし現実には、なかなか「これが私の人生だ」という確信を持って人生を歩んでいる人は少ないように思えます。多くの人は、人のマネをしたり、流行を追っかけたりします。テレビをつけると、「これを身につけたら」「こんな経験をしたら」「この資格を持ったら」と言うような宣伝ばかりです。そんな声に惑わされてしまう結果、いつも「何かがちがう」と感じていないでしょうか。

私たちが「自分らしく生きる」ために必要なことが二つあります。これを欠いたなら、人のうらやむような人生を一時的に送ることはできたとしても、生涯を通して満足のある人生を送ることはできません。その一つは「愛されていること」を受け入れることです。ありのままの自分が愛されていることを知らない人は、自分にいろいろな付加価値をつけて飾り立てようとします。でもそれは絶えず誰かと比較することにもなるので、逆にきりがなくなってストレスを溜め込むことになります。私たちはありのままの自分が愛されていることを知って、はじめて「自分の価値」を知ることができるのです。

もう一つは「愛すること」を実行することです。「愛すること」は、私たちの人生の最大の目的です。「愛されること」と「愛すること」の二つは矛盾するように感じられるかもしれませんが、神によって創造された人間は愛されていることだけでは満足できません。むしろ逆に、自分のすべてを注ぎ込んで愛することが必要なのです。それが人間の尊さでもあります。私たちは愛されていることによって人生の平安を得ます。そして愛することによって人生の満足を感じるのです。私たちは愛されています。それは、私たちが愛するためなのです。