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コラム 牧師の書斎から

2009年7月12日 小平牧生師

子どもたちがアメリカの小学校に通ったことがありました。当時まだ小学生だった娘が、家に帰ってきてこう言ったのです。「おとうさん。日本の学校とアメリカの学校では、どうして世界地図が全然ちがうの?」確かにちがったのです。みなさんはおわかりでしょう。そうなんです。日本の世界地図では、日本が真ん中にあり、右側に太平洋をはさんでアメリカ南北大陸、反対の左の方にはアジアからヨーロッパやアフリカがあります。でも、アメリカの世界地図は、アメリカ大陸が真ん中にあって、わが日本は左の角の方にあったのです。そしてイギリスでは反対に日本は右の角の端にありました。「極東」というのはこういうことかと実感したものです。しかし、みなさんそれでびっくりしてはいけません。アルゼンチンの世界地図を見たことがありますが、そこでは南北が正反対になっていました。日本は下の方に、北海道から沖縄までが逆さまになっていました。ものすごく違和感を感じたことを覚えています。

みなさん、私たちの頭の中では、「日本は真ん中にある。」「北海道は上にある。」これがあたりまえになっています。しかし、それはあたりまえではありません。むしろ、日本は世界地図からこぼれ落ちそうなところにあると考えられていたのです。(そういうところに宣教師たちは来たのです。)もちろん、そう考えていたヨーロッパの人たちの考えも正確ではありません。しかし実際には、世界は平面ではなく、地球は球です。どの一点をとってもそれは世界の中心であり、また世界の中心ではありません。

さて、何を言いたいかと言えば、先ほどの地図のように私たちは平面的にものを考えることが多いと言うことです。自分を中心にしてある人を右に、ある人を左に考えるのです。しかし神様を中心にした時、私がいるところが世界の中心であることと、しかし同時に私が中心ではないということがわかるでしょう。