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コラム 牧師の書斎から

2010年11月7日 澤村信蔵師

先週11月2日、二人の老姉妹が天に帰っていきました。M姉は、夏ごろから体調を崩されて、腎臓を悪くし、さらに血液の中に細菌が入ったことが原因で、88年の生涯を終えられました。M姉は、とても従順で、穏やかなお人柄でした。彼女が、信仰に入ったきっかけは当時7歳であった3女の娘さんを亡くされたということでした。

何を見ても悲しみに覆われていた彼女が、ある日、ビリー・グラハム国際大会のちらしを受け取り、出席しようという思いが与えられ、そこで救われたのです。そして、その後で、「あなたの娘さんは天国に召されたのです。」との言葉を聞いた時、数年来抱えていた悩みが吹き飛びました。ああ娘がいる天国に私も行かなければ…娘さんにまた会いたいとの希望をもたれました。そして、長年忠実に主とともに歩み、その生涯を全うされました。

Y姉も、同じ日の夜、長年過ごして来られたご自宅で103歳の生涯を終えられました。Y姉の信仰は一口に言うならば、再臨信仰に生きた信仰でした。戦争の折りには、再臨信仰をもっていたということで警察に捕まりました。そして、天皇か主イエスかと迫られたのです。でも、彼女は、「天皇は神ではありません」とはっきりと断言して信仰を守りぬかれました。それは、まさに命を賭けた信仰告白でした。そして、主イエスとお会いしたいという信仰は、最後の最後まで変わることがありませんでした。主イエスに携え挙げられることを心から待ち望んで、家族に「私がいなくなっても捜さないでね。神様に引き上げられたということだから」と何度も語っておられたそうです。

お二人の信仰の歩みを思いながら、私たちに与えられている再臨信仰の素晴らしさを感じました。再臨信仰に生きるということは、いつかイエス様とお会いできたらいいなということではなく、今主イエスを意識して歩んでいく生涯なのです。私たちも、先輩たちを見習って、この教会に流れている素晴らしい信仰の遺産を受けついでいきましょう。