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コラム 牧師の書斎から

2010年12月5日 小平牧生師

交通事故で救急治療室に運ばれた人の生存率調査に関するアメリカの話。

アングロサクソン系とラテン系では、ラテン系の人々の生存率が高いが、その理由が興味深い。ラテン系の人々はおじいさんから兄弟や近所の人まで大家族で病室におしかけて、ベッドの周りで歌ったり、聖書を読んだり、さわったり、スキンシップが多いことにあるのではないかというのです。アングロサクソン系はその反対で核家族化が進んでおり、家族のごく近い人が見舞いに来るのがせいぜいなのだそうだ。

人がともに会話を交わし、一緒にいるのは、用事があるからではない。つながっているという実感、ともにいるという喜びは、人間の原動力であり、生存力さえ高めるということを教えている。

私たちはそういうつながりや交わりを回復したい。社会全体がゆったりとしていた時代は過ぎ去った。それと同時に礼拝が終わって用事がなければ帰ってしまうことが多くなった。もちろんそれをとどめることはしないのだが、しかし、忘れてはならないことは、一見むだと思えるような時間を大切にすることが人生そのものをむだにしないということなのだ。

いっしょに時間をすごすのに一番良い方法は、いっしょに食べることではないだろうか。それはイエス様の姿に見られ、イエス様は「食いしんぼう」と言われた。また、私たちに対して「いっしょに食事をしよう」と招いておられる。クリスマスは食べる機会が多い。大きな交わりで、また小さな交わりで大いに食べて喜ぼう。そこにイエス様もおられる。