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コラム 牧師の書斎から

2011年3月20日 澤村信蔵師

未曾有の災害に襲われて東北地方が壊滅的な被害を受けました。津波に襲われた地域は、筆舌に尽くしがたい惨状です。心がいたみ、なぜこんなことが起きるのだという思いがあふれてきます。原発の状況も次から次へと悪くなっていっているように感じ、東京からも避難をされている方々も出てきています。想像を超えた大きな出来事のゆえに、日本中がパニックに陥っています。ガソリン、水、保存食、乾電池、オムツなど、災害時に必要なものからなくなっています。さらに拍車をかけるように、計画停電も実施され、電車などの交通網もいつ運休するかもという状況の中、これからの見通しを立てようがないとのが現状かも知れません。人々の心に何とも言えない不安感が広がっています。そんな中で私たちがすべきことは何でしょうか。私たちに何が出来るというのでしょうか。本当にただただ自分の無力さを感じるばかりです。

しかし、私たちにも出来ることがあります。それは心一つにして祈ることです。当時最強であったアッシリヤの軍勢がイスラエルをまさに襲ってくるという国家存亡の危機がありました。周りの国々はすでに支配下におかれ、イスラエルは、どうすることも出来ない状況でした。そんな時、ヒゼキヤ王は、荒布をまとい、祈り、預言者イザヤにも、緊急の祈りを要請しました。ほかのどんな準備をするということよりも神に祈ったのです。すると、アッシリヤの王は自分の国に引き返し、ニネベの神殿で自分の息子の謀反に遭い、亡き者となり、気がつくと脅威が去っていました。今回の出来事はそんな軽いものではないことは百も承知です。しかし、それでもなお私たちは今こそ、緊急の祈りをすべき時ではないでしょうか。今こそ神に介入していただく以外に道はありません。今まさに神を必要としている人びとがいます。その人びとに神が触れてくださることを祈りましょう。そして、祈りとともに私たちに出来ることをさせていただきましょう。