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コラム 牧師の書斎から

2011年5月8日 澤村信蔵師

今日は母の日です。母の日は、全世界でさまざまな時にお祝いされていて、起源もたくさんあります。私たちがお祝いしている母の日の起源はアメリカにあります。1870年女性参政権運動家ジュリア・ウォード・ハウが、夫や子どもを戦場に送るのを今後絶対に拒否しようと立ち上がり「母の日宣言」(Mother's Day Proclamation)を発したことが始まりだと言われています。ハウが提唱した「母の日」は、南北戦争中にウェストバージニア州で、「母の仕事の日」(Mother's Work Days)と称して、敵味方問わず負傷兵の衛生状態を改善するために地域の女性を結束させたアン・ジャービスの活動にヒントを得たものですが、母の愛を現すためのハウの母の日は、結局普及することはありませんでした。

しかし、ハウの母の日のヒントとなったアン・ジャービスの死後2年経った1907年5月12日、その娘のアンナが、亡き母親を偲び、母が日曜学校の教師をしていた教会で記念会をもち、白いカーネーションを贈りました。この出来事が日本やアメリカでの母の日の起源とされています。そして、翌1908年5月10日、アンナの母への想いに感動した人々は、母をおぼえる日の大切さを認識し、教会で最初の「母の日」を祝いました。アンナは参加者全員に、母親が好きであった白いカーネーションを手渡しました。そのことから、日ごろの感謝を込めてカーネーションを贈るようになったとのことです。

だから母の日は、お母さんが感謝を受けるための日ではなく、自分を産んでくれたお母様に対して、たとえ会えても会えなくても、お母様を覚えて心からの感謝を現す日なのです。そして、そのお母様を与えてくださった神様に感謝をささげる日です。母の日だけでなく、私もよく忘れてしまいそうになりますが記念日は大切なのかもしれませんね。普段は言えないことでも、記念日だからこそ現すことが出来ることもあります。日ごろの感謝を言葉にして、お母様に伝えてみてはいかがでしょうか。