ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2011年5月15日 澤村信蔵師

震災から2か月が過ぎました。現地でも救済から復興へと進みつつあります。先日石巻キリスト教会でもコンサートが持たれたとのことです。と言っても、礼拝堂でコンサートを行うことはまだまだできないので、日和山公園という石巻の市街が見える観光地で行いました。前回私も石巻へ行った時、この日のためにその場所で祈ったのですが、そこは、神社の真ん前でした。本当にここであってるのかなと思いつつ、祈りました。でも、神社の方もとても親切にしてくださって、雨が予想されていた前日には、社務所などでコンサートを行ってもいいとまで言ってくださっておられたとか。結果的には、全国的な雨模様の中、あの地域だけは雨が降ることなく守られました。神様のわざですね。そして、その後も、女川で一番大きな避難所として使われている体育館などで行われました。そのコンサートが終わった時、母の日の後ということもあり手作りのカーネーションを渡すと、一人の人が「私今日初めて泣きました。」と言われたというのです。その方は、あの震災の日、ご自分たちが先に避難して、ご主人が後に残って、すぐ行くからという言葉が最後で、ご主人は津波に飲み込まれてしまって亡くなってしまった方でした。2か月たっても涙一つこぼさず頑張ってこらえた方々がおられるんだということをお聞きして驚きを覚えました。ひとしきり泣かれ、それまでの思いをぶつけられ、その方の為に祈るときが持たれました。そこの場所ではこれまでもコンサートがなされていたのかもしれませんが、聖霊がそこに働いてくださったのでしょう。これからますます心の痛みを覚えられる方が増えてくるでしょう。歯を食いしばるだけではいけないときがあるでしょう。そういう時誰かがそばにいることが出来たらと願います。その誰かにならしていただきたいと願います。悲しむものと共に悲しみ、喜ぶものとともに喜ぶものとさせていただきましょう。