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コラム 牧師の書斎から

2012年3月11日 澤村信蔵師

9日フィリップヤンシーさんの講演会に行ってきました。『神に失望した時』や『誰も知らなかった恵み』などの著作で知られ、世界で1400万部もの本が売れているクリスチャンのジャーナリストです。今回、東日本大震災から一年ということで、日本に慰めと励ましを与えるために来日されました。

震災のような痛みを感じるとき、多くの人が神はどこにいるのだろうかと思います。実際に震災に会われた方に私もお会いしたことがありますが、そのようななぜは消えることがないようです。しかし、ヤンシーさんは、そんな時本当に問われているのは、痛むときに、神ではなく、教会がどこにいるのかということではないだろうかと問われていました。私たちクリスチャンがどう歩むのかそれが問われているのです。

痛むとき、苦しむとき、イエス様を信じていて本当に良かったとならなければ信仰は何の意味もありません。苦しみ、痛むからこそ、本当の慰めを受けることが出来るのです。

この震災で多くのものが流されました。しかし、同時に流されて良かったものもありました。それは、一つには教会と地域との壁です。教会にはいったことがない方々も物資などを求めて教会との交わりが出来ました。教会に入ることに躊躇がなくなったのです。もう一つは教派の壁です。もうきよめ派だ、ペンテコステ派だなんて言っていられません。未曽有の苦しみを前にして、そんなものは流されてしまいました。一致してやっていくしかなかったのです。石巻キリスト教会も、兄弟団よりむしろ他の教団がどれほど支えてくださったかわかりません。キリストにある一致を教えていただきました。

これらの壁を打ち破ったのは、そこに大きな苦しみがあったからではないでしょうか。私たちが神に目を向けるとき、苦しみの中にも確かに神はおられるのです。いや、苦しむときにこそ豊かに神は語りかけておられるのです。そして、忘れてはいけないのは、この苦しみを与えられた神は、この日本に期待しておられるのだということです。日本人だから乗り越えることが出来ると神は期待しておられるからこそ、この試練を通されているのではないでしょうか。この苦しみの先にある、神の豊かな祝福を期待して今日も主を心からほめたたえましょう。