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コラム 牧師の書斎から

2012年4月29日 小平牧生師

先週月曜日に父方の伯父が90歳で召されました。父は五人兄弟の三男ですが、長男は第二次世界大戦のためビルマで26歳で戦死しましたので、今回召された二番目の伯父が小平の家を継ぎました。この伯父も終戦の時に満州にいましたので多くの人と同じようにシベリアに連れて行かれるところだったのですが、奇跡的に帰国することができました。それで父は進学のために上京できたのですが、東京で下宿したのが成増教会の加藤倉吉さんご夫妻のお宅でした。父は加藤さんに熱心に伝道され、小林廉直先生夫妻に紹介され、イエスキリストに出会い救われました。そして成増教会で母と結婚し、牧師としての献身に導かれ、…となります。もしこの伯父が満州から帰国できなければ、父は実家に留まって後を継いだでしょうから、そうなるとその後のことはすべて変わってきたわけです。

私自身もこの伯父夫妻には大変お世話になりました。父が西宮で開拓を始めて数年後に病のため療養することになり、当時6歳の私は伯父夫妻の家にあずけられました。父の看病をしつつ幼い私や弟を育てながら開拓途上の教会の牧会をするということは、母にはとても無理なことであったと思います。田舎にあずけられたということは、私にとっては幼い日の少し悲しい思い出であり、思春期には心の傷でもありましたが、イエス様によって癒され、多くのことを得た経験でした。だれでもそうですが、人生には嬉しいこともありますし、悲しいこともあります。しかし一つも無駄なことはなく、神様のご計画は完全であり恵みに溢れていることを、葬儀に出ながらあらためて思わされました。ローマ8:28。葬儀には本家筋の穂高神社の神主の方々をはじめ多くの親族が集い、父にとっても主の恵みを証しする良い機会となりました。主に恥じることなく従うなら必ず祝福してくださいます。