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コラム 牧師の書斎から

2012年6月24日 小平牧生師

今月、サッカーのワールドカップ最終予選が始まった。日本はホームで連勝して敵地に乗り込んでのオーストラリア戦。レッドカードによる退場で相手選手の数が一人少なくなり、日本は優位に試合を進めて先制点をとった。ところが、敵の監督でさえも「あれは誤審」とコメントしたファールによって与えたPKで失点し同点に。自分のミスジャッジのバランスをとるためとしか思えない審判の判定で日本選手も一人が退場し、最後は延長になって「このフリーキックが最後だな」とは思ったが、蹴ろうとしたところで試合終了の笛が吹かれるという笑ってしまうような終わり方だった。でも、これがアウェー、つまり敵地での戦いなのだ。

しかし、大事なことは次のことだ。試合後のインタビューで日本選手はだれも審判の判定に言及しなかった。翌日の新聞を見ても、グラウンドの悪さについてだれも語らなかった。むしろ彼らはこの戦いで浮かび上がった自分自身と自分のチームの課題をあげた。このことは、彼らがワールドカップという目標に目を向けていることをよく表している。

私たち自身をふり返ってみよう。その状況や環境は最悪かもしれない。働きは公平に判断されていないかもしれない。まさに私たちはアウェーを生きている。その意識こそ大事なのだ。むしろ自分の課題を発見して成長をめざしていこう。ゴールから目を離してはならない。最後の勝利のために。