ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2012年8月19日 小平牧生師

シーナ・アイエンガーさんは、20年以上「選択」についての研究を続けてきた。アイエンガーさんの研究の中でも大きな反響を読んだのが、「ジャムの研究」だ。高級スーパーの試食で、ジャムを24種類並べた時と6種類の時では6種類の方が売れた。「対象が多すぎると選べない。」その後、商品の種類を絞って売り上げを伸ばす企業が相次いだ。アイエンガーさんが「選択」ということを生涯の研究テーマに決めた背景には、彼女自身、選択が限られていた生い立ちがある。インドからの移民で厳格なシーク教徒の家に生まれて、両親には激しくしつけられた。「学校で異性と話してはいけない。」「髪の毛は長く伸ばさなければならない。」新たな制約は、幼い頃からの目の病気が進み、高校時代に全盲になったことだ。光を与えてくれたのは教師や学友だったという。「人生は自らの選択でつかむもの。それが当然で、望ましいものだと教わりました。」という。彼女の研究の出発点は、「制約の多い宗教は人をみじめにするのでは」との疑問だった。ところが、調査してみると、幸福感の高いのはむしろ信仰をもつ人たち。重要なのは制約の多少ではなく、与えられた選択範囲の中での自分が選択する時の、その意識のあり方であることが明らかになった。アイエンガーさんが日本で行った調査や研究などから、「日本人は選択肢が少ないと感じている」と見ている。(以上、毎日新聞8/7「ひと」)

何を食べるか、何を着るのかという日常生活の選択は、私たちの人生に直接にはそれほど大きな影響を与えないとしても、人生には大切な選択をしなければならない場面が何度もあります。その時に本当に有益な選択をするためには、実は毎日の小さな選択のトレーニングが必要です。イエス様のことばか、自分のプライドか、周囲の目か、etc。自分の行った選択を書き出して、それをあとで評価していくことはとても有益です。そのためにデボーション(聖書を読み祈る)をノートをとりながら行うことを勧めます。