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コラム 牧師の書斎から

2012年9月16日 澤村信蔵師

今日は敬老祝福礼拝です。教会でも敬老の方々への敬愛を現わすとともに、長寿をお祝いします。敬老の日は、ある意味で特別な祝日です。子供の日などは、他の国でもお祝いされていますが、敬老の日は日本独自の祝日だからです。超高齢化社会になった日本ならではの祝日なのかも知れません。

敬老の日の起源はご存知ですか?諸説あるそうですが、一つは、聖徳太子です。聖徳太子が四天王寺を建てたのですが、その四天王寺の名前にちなんで4つの院を建てました。その一つの悲田院というのが現在の老人ホームのような施設で、その施設が開かれたのが9月15日だったというものです。もう一つは、元正天皇の説です。元正天皇が717年に「万病を癒す薬の滝」といわれていた岐阜県の養老の滝へ行って、年号を「養老」に改元した故事にちなむというものです。聖徳太子や元正天皇とはるか昔に起源をもっていきたがるのですが、実際は、もっと最近に起源はありますし、また9月15日なった理由も実際的な理由だったそうです。1947年、兵庫県多可郡旧野間谷村(現八千代町)で、35歳の若さで村長になった門脇政夫さんが、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」ということで、お年寄りを大切にする日を決める時、農閑期で気候も良い9月15日を「としよりの日」に定め、敬老会を開き、村長の権限で村役場も休みにしたのが最初だそうです。暇だからということもあるでしょうが、三ちゃん農業(昔こんな言葉もありましたよね?)で、忙しく働いておられるお年寄りの方々への配慮から決められたのです。この運動が広がり、50年に兵庫県も9月15日を「としよりの日」に制定し、そして66年、「敬老の日」が国民の祝日に加えられました。

敬老の日は、お年寄りを敬い感謝するというだけでなく、お年寄りの知恵を借りて何かをしようというところから始まったようです。私たちも、信仰の先輩たちがいてくださることに心から感謝するというだけでなく、先輩たちがどのようにこれまで歩んでこられたかその日々をうかがい、これからの私たちの歩みのために積極的に活かす機会に出来ればと願っています。敬老の方々の上に神の恵みと祝福がありますようにお祈りします。