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コラム 牧師の書斎から

2012年11月11日 澤村信蔵師

尼崎の変死事件は、本当に不可思議な事件です。それに拍車をかけるかのように、マスコミが、主犯の写真を完全に違った人と取り間違え、連日報道するとか、ありえないような出来事がおきました。その後本人の写真が出ましたが、似ても似つかぬ感じで、どうして取り間違えたのか本当に不思議です。でも、もっと不思議なのは、あれだけ多くの人が、犠牲になっているにも関わらず、どうしてそれが今まで公けにならなかったのかということです。助けを求める方法はいくらでもあるはずなのに、それが出来なかったのはどうしてかということです。実際、逃げ出した人はいたようですが、でも今になるまで声をあげることさえできなかったのです。それは、彼らが恐れによって支配されていたからです。どのようにして、恐れを抱かしたのかは分かりません。でも、恐れが彼らを支配していたことは間違いありません。

恐れを持つと自分自身で限界を定めてしまい、すべての可能性が無くなってしまうのです。可能性を捜そうということ自体が無くなるのです。皆さんは蚤の実験をご存知でしょうか?蚤は通常2mの高さまでジャンプするそうですが、その蚤に高さ50cmほどの箱を被せると、しばらくは天井を破ろうと努力をしますが、やがて自分の限界に気づき50cmしか飛ばなくなります。そして、蚤は箱をどけても50cmしか飛べなくなるそうである。蚤も「心理的限界」を自分で作ってしまうのです。でも、飛べなくなった蚤を、また飛べるようにする方法が1つだけあります。それは「自分以上に飛んでいる仲間」の姿を見せてあげることです。つまり違う蚤を隣に置き、その違う蚤が簡単に1m以上ジャンプするのを見ると、1m以上のジャンプができるようになるのです。

私たちも同じです。恐れを抱き、自分自身で限界を決めてしまっている私たちに、今日も主は語られます。「恐れるな。わたしがあなたとともにいる。」と。私たちが恐れから解放される方法はただ一つです。ともにいてくださる主イエスを見ることです。主イエスの姿を見る時、自分自身で定めてしまった限界を打ち破ることが出来るのです。私たちには、本来神が与えてくださった可能性が広がっているのです。自分自身で思い込んでいる限界を打ち破っていきましょう。