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コラム 牧師の書斎から

2012年12月2日 小平牧生師

先日、グローバル・リーダーシップ・サミットという集まりに出席しました。私自身は、ピーター・ドラッカーの後継者であるジム・コリンズの話がおもしろかったのですが、多くの人はアメリカの前国務長官のコンドリーザ・ライスさんの話に聞き入っていました。政治的な立場は別として、彼女の信仰と、リーダーとしての器の大きさをみた思いがします。特に日本の政治家の姿と比較してしまうからかもしれません。

その集まりの中で一人の若い牧師が講演しました。若いといっても40代でアメリカでは知られた牧師です。クレイグ・グローシェルという人です。彼の講演のテーマは、世代の継承ということでした。最初に彼は、年長の世代へのアドバイスとして、「若い世代を恐れない」ことをあげました。ちょっと以外でした。しかし、旧約聖書の中にもサウルが若いダビデの存在を恐れたことがでてきます。年長者はむしろ「本物」であることを切り札にしなければならないと言っていました。自分が本物であれば、どんなに有能な若手がでてきても恐れることはありません。クレイグは、次に若い人々へのアドバイスとして、「上に立つ人々に敬意を表す」ことの重要性を語っていました。尊敬は相手のふさわしさに関係しますが、敬意は相手に関係なくこちらが与えるものです。たしかに、若い世代の傾向は、短期間で達成できることを過大に評価し、長期間で達成できることを過小評価するところにあります。私自身も、若い時は年輩の牧師たちが能力のない人に見えたり、さばいたりしていましたが、いろんなことが分かってきた今は、長い間牧師を続けてきたということが実は尊敬に値するものであることに気がつきました。最後にクレイグは、異なる世代が一緒に働く機会を持つことの重要性を述べました。そして、それができることがこの世界で教会が持っている強みであることを話してくれました。その通りだと思います。

さて、今日からアドベントです。クリスマスはキリストが人として生まれた日です。私たちのクリスマスの祝い方は、キリストと同じようにすることです。さびしい人、一人で孤独な人、傷ついている人のところに行って、分かち合って、ともにすごしてください。