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コラム 牧師の書斎から

2013年8月18日 小平牧生師

その昔、一人の彫刻家が、巨大な石を刻んでアブラハム・リンカーンの像を造ることになりました。一日中彫刻をして、夜になると掃除の女性がやってきて床一面に散らばった彫りくずを掃除します。何週間も毎日掃きそうじをする中で、やがてその大きな石から人物像が浮かび上がってきます。この女性はその様子を毎晩楽しみに観察していました。やがてこの像が完成に近づいた時、この女性は最後の掃除の夜にその彫刻家の仕事の姿をみていました。仕事を終えた彫刻家にこの女性が「あなたはリンカーンの姿を本当にみごとにつくりましたね。」と言うと、するとこの彫刻家が答えました。「いや、私はリンカーンの姿をつくり出したのではないのです。私がしたことは、リンカーンでない部分を表面から削ぎ落としたことだけです。」
この彫刻家の話が教えている真理は、私たちの人生はいろいろなものを継ぎ合わせて作り出すのではないということです。むしろ反対です。無駄なものを落としていった時に、私たちの真の姿が現れてくるのです。創造者である神様は、荒削りである私たちの中に私たちの完成した姿をみておられます。そしていろんな経験やできごとによって、私たちの無駄な部分を削りとってくださいます。「この部分は削ろう。」とおっしゃる神様に、私たちは「いや、それは大事なんです。」と手放すことをしないことがあるかもしれません。しかし、私たちに対する最高のイメージを持っておられるのは神様です。そしてその神様のイメージのように私を完成してくださるのです。
今週も暑い日が続きそうです。みなさんの健康が守られますようにお祈りします。私は先週から来月にかけて聖会やキャンプの奉仕が四週間続いています。私のためにもどうぞ祈りに覚えてください。