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コラム 牧師の書斎から

2013年9月22日 澤村信蔵師

金子みすずが書いた「わたしと小鳥とすずと」という詩があります。「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんなうたは知らないよ。すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。」

私たちは、つい人生には、一つの答えがあり、その答えのとおりに生きることだけを求めてしまいます。そして、つい誰かと比べたがります。その人の弱いところ、ダメなところばかりを捜そうとします。ものは言いようという言葉もあります。「あの人は完璧主義者というか重箱の隅をつつくような人で、もういちいち細かい。」と言ってしまえば、これは、明らかにあの人はよくないと言っています。でも、「あの人はいつも正確な判断をするしかも、本当に細かいところまで気が回って、こと細かく教えてくれる。」と言えばどうでしょうか。これは同じ人を見て語っている言葉ですが全く違います。

肯定的に見るか、否定的に見るかで全部が違って見えてくるのです。今、私たちは、自分の周りの人を見る時どんな目で見ているでしょうか?中には、人間と小鳥ほど違う人もいるかもしれません。そこまでの違いはなくとも私たちは違いを見つけるのは上手です。でも、「みんないい」という目でその人を見たら、違いは欠点ではなく、優位なところになるはずです。私たちは、もっともっと周りの人を評価しましょう。

それとともに、私たちは自分に与えられている物にももっと目を向けましょう。自分はこれしかできないとか、こんなこと誰でもできると思うかもしれません。でも、本当はあなたにしかできないことがいっぱいあるのです。あなたは、あなたとして神が造られたのですから。神様は、この世界を造られた時、非常に良かったと言われました。その神様が造られたのがあなたです。そして、私たち一人一人なのです。一人一人違いますが、それぞれが最高のものとして造られているのです。今日も互いに尊重し合って、そして、自分自身も大切にして歩んでいきましょう。