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コラム 牧師の書斎から

2013年12月8日 小平牧生師

先日、「私たちは、特定秘密保護法の制定を危惧します」との声明を、ホーリネス教団教団委員会と、私たち教団理事会との共同声明として安倍総理大臣あてに送りました。

ご存知のように、私たちの教会/教団は、そのルーツは日本におけるプロテスタント教会歴史上最大の弾圧を受けた旧日本基督教団第9部の「きよめ教会」です。戦前の1942年、「治安維持法」違反容疑によって所属する牧師62人が一斉検挙され、その中には獄中で死亡した者もいます。そして翌年には「宗教団体法」によって教団の諸教会は強制的に解散させられました。そのような経験を自らの歴史に刻む者たちとして、本法案が戦前の治安維持法に劣らない危険をはらんでいることを見過ごすことはできません。治安維持法と同様、徐々に拡大解釈されていく可能性を持っていることに大きな危惧を覚えます。もちろん、クリスチャンや教会は迫害を受けます。私たちも弾圧や迫害がありうることはもとから承知のうえです。その時は感謝して神を選びましょう。ただし、そういう個人の信仰の問題としてではなく、神のみ心がこの地に行われるように私たちは祈り、自分の国が神のみ心に沿うように発言していく責任があるのです。ともすれば、私たちは自分が救われ、きよめられ、癒され、そして死んでも自分は天国に行くことができる。また健康や仕事や家庭が祝されるというように、あらためて考えてみたら信仰と言っても結局は自分のことだけということがあります。しかし、私たちは「神のかたち」として、互いに愛し合い、そしてこの世のすべてのものを管理するために創造されました。福音は私たちをそのような創造の原点へと回復させるものです。私たちはこの世界のために神のみ心がこの地になるように祈り、神の国を待ち望みます。もちろん、反対することが目的ではありません。繰り返しますが、大事なことは私たちの祖国が正しくそして祝福の道を歩むことができるように愛と祈りつつ、宣教の働きを進めることです。私たちの教会や教団がこの時代にこの国に生かされていることを覚えて、与えられた責任を果たしていきたいと考えています。どうぞ祈ってください。