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コラム 牧師の書斎から

2014年3月16日 澤村信蔵師

世界に希望を与えた「STAP細胞」の論文が、撤回されようとしています。生物学の常識を覆すような驚くべき成果とともに、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーという非常に若い女性が中心になっていたということで非常に注目された論文でした。割烹着を着て実験をしていたとか、彼女が持っている物がとか、別の意味でも注目されましたが、実用化ということまで行くには、まだまだこれからという技術ですが、私自身この論文自体の意義を考え、非常に注目していただけに残念でした。実際にはどういうことがあったのか、それはまだまだこれから解明されていくのだと思いますが、違う論文で用いていた写真が使われていたり、他の論文をコピーしていたりと様々な疑惑があって、論文の主な著者のほとんどが撤回で同意しました。

私自身も大いに期待していましたが、考えてみると、当然の結果だったのかもしれません。何より神の摂理からすると、「STAP細胞」はありえないのかもしれません。「STAP細胞」の一番の特長は、すでに分化していた細胞が、薄い酸性の液につけるだけで、もう一度万能細胞になるということです。言うなれば、外部からの刺激によって、時を戻すかのように、もとに戻るのです。だから夢の細胞だったのです。何度でもやり直しがきくからです。

でも、やはり夢は夢なのかもしれません。時を戻せれて、あのことが無かったらと思います。でも、時は決して戻りません。起きてしまったことは戻せないのです。それが神の摂理です。初めがあり、終わりがあるのです。でも、起きてしまったこと過去は変えることができなくても、私たちは今を、そして未来を変えることは出来るのです。主が与えて下さるのは、将来と希望です(エレミヤ29:11)。そして、信仰は過去のことを振り向き続けるのはなく、望んでいる事がらを保証し、目に見えない(現在と未来)のものを確信させるものだからです(へブル11:1)。私たちの未来には、夢の「STAP細胞」どころではない、いかようにでも変化することができる未来が広がっているのです。過去でなく、神の用意する素晴らしい未来に期待して、今現在を全力で歩んでいきましょう。