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コラム 牧師の書斎から

2014年4月6日 小平牧生師

西宮の教会では、礼拝に出席する人はみな名札をつけるようにしました。教会員の方々は教会堂に入るとカバンから名札を取り出して首からさげます。新しく来られた方のためにも、礼拝に続いて出席されるようになると受付で名札を用意してお渡しします。分級や礼拝が始まる前に挨拶し、礼拝が終わると挨拶します。また食事をしながら互いの近況を報告したり交わりの時をもちます。そのように教会堂にいる間は名札をつけています。名札をつけること、それは自分の名前を覚えてもらうようになるためだけではありません。相手が自分の名を呼ぶことができるようにするためです。

神様は「わたしはあなたの名を呼んだ」と言われます。それは、私の存在をそのまま受けとめてくださっているしるしだと思うのです。とすれば、神の家族である教会も「私たちはお互いに名前を呼ぶ交わり」であると思うのです。朝、会った時にお互いに「おはようございます」と挨拶します。しかし私たちは、できればお互いに名前を呼びたいと思います。いかがでしょうか。「おはようございます、〇〇さん」「〇〇くん、おはよう」というようにです。

私は他の教会をたずねて礼拝に出席することもあります。そのような時に自己紹介をしてくださることも多いのですが、残念ながらみなさんの名前を覚えることはできません。で、そっと牧師に名前を教えてもらいます。名札をつけてくださっていると助かります。名前を呼んで語り合えることは本当にうれしいことです。厳しい話をする時でも、名前を呼ぶことによって、和やかに話すことができます。小さな教会では私たちはお互いに名前を知っています。しかし、はじめて来られる方にとっては知らない人々の集まりです。私たちが名札をつけることは、初めての方も歓迎していますという、私たちのメッセージでもあるのではないでしょうか。