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コラム 牧師の書斎から

2014年6月15日 小平牧生師

私たちの教会が所属するキリスト兄弟団は、かつて日本に与えられたリバイバルを経験した教団です。リバイバルとは、聖霊によって教会が信仰において刷新され、福音宣教が前進することを意味しますが、たしかに大正8年そして昭和5年のリバイバルによって教団は信仰的に燃やされ、成長し、当時の満州・朝鮮・中国・台湾・樺太・米国・ブラジルなどに教会は広がっていきました。数字で見ますと、1927年には教会数165、教会員数6,374名であった教団が、5年後の1931年には教会数439、教会員数19,523名になっています。

しかしこの後に試練の時代を通ります。1936年にホーリネス教会は内部分裂します。こういう場合、その原因は信仰の教理上の問題と説明されますが、実際は指導者における人間関係のもつれです。そして1942年6月には、当時の「治安維持法」違反の容疑によって130名以上の牧師が一斉検挙され、殉教者を出し、300以上の教会が閉鎖・解散させられます。当時の私たちの教団は反戦運動や政治運動をしたわけではなく、むしろ政府のアジアへの侵略戦争に協力しており、「治安維持法」の成立にも賛成していたのです。ですからそれは驚き以外の何ものでもなく、教会はリバイバルの余韻と当時の国機高揚のムードに浸っていて何の備えもなかったために、多くの信徒の方々が信仰を失なったのです。

罪を悔い改めないままで、またキリストの心を心としないで教会が成長するということはこういうことです。見えるところの成長など、一晩のうちに崩れ去ります。リバイバルや奇跡を経験してもです。私たちはそれを経験した群れです。にも関わらず私たちは同じことを繰り返すのでしょうか。今月は弾圧記念の月です。一人一人がへりくだって歩みましょう。これまでのすべてが益となる日を信じて。