ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2014年6月22日 小平牧生師

今週木曜日は72年目の弾圧記念日です。弾圧や迫害というとカトリック教会のことを思い出しますが、私たち成増教会のルーツは日本プロテスタント教会史上において最大の弾圧を受けた旧日本基督教団第9部の「きよめ教会」です。1942年に「治安維持法」違反容疑によって所属牧師62人が一斉検挙され、翌年に「宗教団体法」によって教団の諸教会は強制解散させられました。投獄させられた牧師の中には獄中で殉死したものもいます。

昨年、「特定秘密保護法の制定を危惧する」との声明をホーリネス教団委員会と教団理事会の共同声明として安倍首相宛に送りました。兄弟団はこれまでこのようなことをしたことはありませんでしたが、しかし、政府による弾圧を自らの歴史に刻む教団として、この法案が戦前の治安維持法に劣らない危険な内容をもっており、治安維持法と同様に拡大解釈されていく可能性があることに危惧を覚えています。同時に、かつてそのような社会の流れの中で日本の教会指導者が神社参拝をし、戦争に加担するだけではなく、朝鮮をはじめアジアのクリスチャンの方々に偶像礼拝を強いてきたことを神の前に悔い改めた者として、黙っている訳にはいかない思いでした。

もちろん私たちはいわゆる社会運動をしようというのではありません。主がこの国に、この時代におかれた教団として、今まで以上に果敢に与えられている宣教の使命を果たしていきたいと思います。それがこの国を愛する教会の最大の責任だと思います。同時に、私たちは憲法が保障する信教の自由のもとに宗教法人として与えられた権利と責任を果たしながら、この国が過ちを犯さず神のみこころにふさわしく歩むようにとりなし祈りつつ行動しなければなりません。私たちはいわゆるカルト集団のように、宣教のためにと言って法律を破ることはしません。しかし仮に法律が偶像礼拝を強制したり礼拝や集まりを禁じるなら、私たちは法律ではなく神の命令に従います。そしてその時には苦難を受けなければなりません。