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コラム 牧師の書斎から

2017年6月25日 澤村信蔵

最近、囲碁の世界一位の棋士に勝利するという出来事が起こりました。囲碁でコンピュータに負けることはしばらく前までは考えられませんでした。それは、現れる局面が極端に多いからです。チェスは10の120乗、将棋は10の226乗、囲碁は、10の360乗もあるからです。その上、どうやったらゲームに勝てるかということを言語化するのが難しかったからです。まあ簡単に言うと必勝法を見つけることができないからです。そういう中で、どうやってコンピュータが強くなったかというと、コンピュータ自身がコンピュータを強くしていくというディープラーニング(深層学習)の手法が見つかったからです。それは、プログラマーが強くするのではなく、プログラマー自身の理解を超えて、コンピュータ自身が少しずつパラメータを変えて、自分自身と対戦して強くなるという方法です。必勝法をコンピュータが見つけるという感じですね。そして、遠くない将来には、コンピュータ自身がプログラムを設計し勝手にどんどん賢くなる時代がくるかもしれません。そういう時代にあっても大切なことは何でしょう。
今、グーグルフォトというアプリは、写真に自動的に管理しやすいようにタグをつけてくれます。その性能は優れているのですが、でも、肌の黒い人を誤って「ゴリラ」と付けてしまったそうです。当然、謝罪、究明が行われたのですが、結果的にはコンピュータが間違えたのではなかったのです。インターネットの中に、黒人をゴリラと呼んでいる悪意のあるタグ付けが少なからず存在し、その情報を吸い上げしまったいたということが分かりました。つまり、人間の悪意の影響をコンピュータが受けてしまったのです。そのことを知った時、どういう時代にあっても、私たちが正しくあるということが如何に大切かということです。「神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである」伝道者12章とありますが、神の命令を守り、正しくあるということはどんな時代にあっても、私たちにとって最も大切なことなのです