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コラム 牧師の書斎から

2017年8月13日 澤村信蔵

「あなたの父を母を敬え。」出エジプト20章12節
日本人は、先祖を大切にします。特に、お盆には、田舎に帰り、お墓参りなどをされる方も多いですね。でも、お墓参りやお盆に持たれる宗教的な行事に参加しないために、クリスチャンは、あまり先祖を大事にしないとか、してはいけないかのように思われている節があります。でも、先祖を大切にする習慣は、原始仏教にはなかったと言われます。そもそも仏教における出家は、何もかも捨てる所から始まります。家族を捨て、先祖を捨て、すべてを捨てる。先祖を大切にしては出家が出来ないのです。だから当初は、僧侶は決して葬儀もしなかったそうです。でも、先祖を大切にしないとの既存の宗教からの反発も強くなりました。そこで、先祖の霊魂を安らかにするための行事を中国で始まりました。その昔、中国にやってきた景教徒たちが死者の弔いを大切にし、神に祈っていました。特に、ユダヤ人は今日でもユダヤ歴の7月15日の「仮庵の祭り」の時を始め、年に数回、先祖の霊のために祈る特別な時があるのです。実際、ユダヤ人は先祖、歴史を大切にします。系図等が聖書に記されているのも、いかに先祖を大切にするかの一つの証拠ですね。その景教徒たちが7月15日(仮庵の祭り)の時に先祖の霊のために祈る習慣を見て、中国仏教が取り入れたのです。そして、それが今の日本へと伝わってきたのです。とすると、むしろ、私たちクリスチャンこそ、先祖を大切にすべきなのではないでしょうか。実際私たちが今あるのも、先祖のおかげですからね。お盆の時、私たちも先祖に感謝し、そして、何より先祖を与え、私たちにいのちを与えてくださった主を賛美しましょう。