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コラム 牧師の書斎から

2017年12月3日 澤村信蔵

今日からアドベントを迎えます。「ことばは人となって私たちの間に住まわれた」(ヨハネ1章14節)神のひとり子である主イエスが私たちのところに来てくださいました。でも、主イエスを受け入れる人はいませんでした。「宿屋には彼らのいる場所がなかった」(ルカ2章7節)のです。ヨセフたちと同じく故郷に戻る人たちで満員御礼というだけなのかもしれません。でも、本当は、彼らのいる場所はあったのです。昔、ある教会でクリスマスの劇をしました。その中に、1人少し知的に成長が遅い子供がいました。先生たちは配慮して、これならできるのではと選んだのは宿屋の主人の役でした。マリヤとヨセフが今夜の宿を探すシーンで、「空いていますか」という問いに「ここはいっぱいだよ。」と答える役でした。何度も練習して本番当日を迎えます。「空いていますか」との問いかけに、少し間が空きます。大丈夫だろうかと皆に緊張が走ります。でも、ほどなくして、「ここはいっぱいだよ」と答えてくれて、皆がほっと胸をなでおろした次の瞬間、次の宿へ行こうとするマリヤとヨセフに向かって、彼は目に涙を浮かべて、「行かないで、僕のベットが空いてます」と言ったのです。劇は無茶苦茶になってしまいましたが、多くの人が感動した忘れられない劇になりました。一杯であっても、この少年が言ったように、自分の場所はあったのです。そこに自分はどんと座って、その残りの場所に主をお迎えしようとしたから場所はなかったのです。でも、主イエスはすべてをご存知の上、そんな私たちの所に来てくださったのです。そして、私たちの心を今日も叩いておられるのです。「見よ。わたしは戸の外に立って叩く。だれでもわたしの声を聞いて戸を開けるなら、わたしは彼の所に入って食事をし、彼もわたしとともに食事をする」(黙示録3章20節)このクリスマス、私たちのところに来てくださったイエス様を心にお迎えしましょう。