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コラム 牧師の書斎から

2019年2月3日 澤村信蔵

どんな境遇にいても、いのちにあふれて生きる秘訣があります。アウシュビッツ収容所で、最後まで生き抜いた人は3つに分類されると言われています。壮絶な殺戮が日々繰り返されている中で正常な意識を保ち、いのちをつないだものがあるのです。一つは、愛の力です。過酷な環境にあっても「愛」を実践していく人々です。アウシュビッツから助け出された人はみな瀕死の状況でした。ろくな食事が与えられないで飢えの苦しみの中にありました。でも、その中で自分の食糧を自分よりも弱い人に与えることを躊躇しない人が生き残っていったのです。二つ目は、美を知る力です。絶望の中にあっても、美しさを意識するのです。鉄格子の中からわずかに見える若葉や、落ち葉が風に揺れる様、雨の滴る雫など、自然を通して現れる神の偉大さに心を向け、感動を覚えることが出来た人が生き延びたのです。そして、最後は、希望の力です。自分を待っている人にもう一度会うのだという希望、帰ったらこんな事業をしようという希望、日常にあふれているような希望ですが、その希望を持ち続けたものが最後まで生き延びたのです。そう考えると、私たちがキリストにあっていのちが与えられたというのは、その通りですね。私たちは主イエスを知ると、愛の力を知ります。そして、愛を実行することが出来るようになります。また、この世界の美しさ、神の被造物のすばらしさに心を奪われます。そして、神をほめたたえることが出来ます。また、神から永遠の希望を与えられるのです。「わたしは、よみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。」(ヨハネ11章25節)このイエスを信じいのちにあふれて歩んでいきましょう。