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コラム 牧師の書斎から

2019年9月29日 澤村信蔵

「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。わたしがあなたとともにいるのだ」(使徒18:9~10) 
先日、今年の弾圧記念聖会の講演CDを聞きました。1942年6月26日に起きたホーリネス一斉検挙から始まる弾圧は、この成増教会と切っても切り離せない関係にあります。それは、小林廉直先生が、検挙弾圧を受け、教会の解散、牧師を辞めざるを得ないという状況に追いやられ、和光市に移住されたことがきっかけとなって、成増教会が始まるからです。歴史にもしはないですが、弾圧がなかったらここに教会はなかったでしょう。その講演では日本基督教団の戒能信生牧師が、なぜホーリネス弾圧が起きたのかを、他にも弾圧を受けた救世軍や、香川豊彦などと関連付けながら、仮説としながらも、国家権力は民衆・大衆のうちにある国家権力にとって本当に恐るべき存在となりうるものを本能的に知る嗅覚で嗅ぎ分けることが出来る。だからホーリネス系教会を壊滅させるために弾圧したと結論づけています。ということは、今日の国家権力にとって当時のホーリネス系教会のような恐るべき存在になっていないことの方が問題ではないでしょうか。たとえ弾圧があってもいいのです。(私も当然望みませんが・・・)でも、弾圧があっても、教会は今なおありますし、ここに弾圧があったからこそ教会が生まれたのです。それでもなお神のわざは進むのです。救世軍、香川豊彦、そして、ホーリネス教会は大衆への伝道を積極的に展開していきました。それは、まさに、イエス様の視点です。最も弱い者、貧しい者、社会からのけものにされていた者に福音を届けたゆえの迫害でした。私たちも神のことばに土台を置きつつ、神様が私たちに与えてくださった十字架の恵みを証しし続けるものとさせていただきましょう。