ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2021年3月14日 澤村信蔵

「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった。」(ヨハネ1:12)

 東日本大震災から10年が過ぎました。津波の被害も甚大でしたがもう一つ忘れてはならないのは原発事故です。未だに廃炉処理や大量の放射線廃棄物の処理方法は見通しがつきません。そういうことを思う時、いかに私たちが思いあがって神のようになれると思っていたのかと思わされます。そして、今も様々な分野で神のようになる試みがなされています。遺伝子組み換えで病気になりにくいもの、害虫が嫌がるものなどもつくられています。ただ食べ続けて大丈夫なのかは分かっていません。AI(人工知能)も様々な分野で活躍しています。コロナの感染予測なども出ていました。中には、様々な問題を時々に応じて答えてくれる神となっているAIもあるそうです。そこまでいくと神の領域を侵害してますね。実際、人類最初の罪も、エバが神のようになることを願い、神の領域を侵害したことから始まります。私たちは神のようになることには気をつけなければなりません。神の領域には踏み込まないのです。科学もそうですし、裁きもそうです。神のことは神に任せる。でも、同時に私たちはもうすでに、「神のように」なっている事実を受け止めることが大切です。私たちは神のかたちとして造られて、神の子どもに既になっているのです。こんなにすばらしい特権がすでに私たちにはあるのです。そのことを今日もう一度覚え、ここから感謝しましょう。