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コラム 牧師の書斎から

2021年3月21日 澤村信蔵

しかし、イエスは言われた。「ペテロ、あなたに言っておきます。今日、鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしを知らないと言います。」(ルカ22章34節)

 受難日、イースターを間近に控え、主の十字架を覚えつつ日々を過ごしていきましょう。十字架を前にして、思い起こされるのがペテロとユダの裏切りです。ペテロは、十字架を前にしてイエス様から「今日、あなたは三度わたしを知らないと言う」との忠告を受けました。これほど日時も、何をするかも具体的な忠告はありません。でも、ペテロはこの数時間後にイエス様を裏切り、三度知らないとイエス様を否むのです。イエス様がどんな思いでこの言葉を告げられたのかと思うと、それだけでも心痛みます。自分が十字架に着く時に、筆頭弟子であり、最も信頼する弟子が自分を否むのです。しかし、ここでわざわざペテロと呼びかけるその主の姿に、それでもなお期待し続ける主イエスの愛を見るのです。イエス様がペテロ(岩)と呼びかけるのは、私が知る限り、ここだけです。裏切ることを告げる時に、信仰の岩ペテロの姿を見ていてくださるのです。また、信仰がなくならないように祈り、兄弟たちを力づけてる役割まで委ねるのです(32節)。どんな状態にあっても、ペテロをそれでもお前はペテロなんだよと見て愛してくださる主がおられるのです。そして、その愛の目、期待の目は今日も私たちに注がれています。あなたがどんなつまづきをしようとも、イエス様の目には、神の前に完成されたあなたが姿が見えているのです。自分の姿以上に、イエス様が期待おられる自分をしっかり見ていきましょう。