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コラム 牧師の書斎から

2021年7月11日 澤村信蔵

 彼らの中には、一人も乏しい者がいなかった。地所や家を所有している者はみな、それを売り、その代金を持って来て、使徒たちの足もとに置いた。その金が、必要に応じてそれぞれに分け与えられたのであった。(使徒4章34~35節)

 初代教会には、一人も乏しい者がいなかったとあります。ただ、教会がお金持ちで溢れ、貧しい者はいないということはありえないことですね。今もそうですが、いつも経済的な戦いはあります。当然、貧しい者はいたのです。乏しい者はいなかったのです。持っている人が自分の財産を手放し、皆で分けたから、乏しい者がいなくなったのです。そこに、神様から頂いた愛があふれていたということです。『世界が100人の村だったら』という本がありましたが、20人は栄養が十分ではなく、1人は死にそうなほどなんだそうです。つまり、世界の5人のうち1人は、十分に食べることが出来ないのです。でも、世界の人口が増えすぎて、食料が不足しているという訳ではないのです。皆が平等に分け合うことが出来たら、誰も飢えることがないのですが、日本を始め先進国と呼ばれる国々があまるほど沢山食料を奪っているからです。神様は、いつも十分なものを与えてくださっているのです。でも、私たちの愛が不足しているからこそ、乏しい者がいるのです。初代の教会を習い、今すべての財産を共有することは難しいですね。でも、乏しい者に対する愛があり、分かち合うことがあれば、乏しい者はいなくなるこの原則は変わりません。今日あなたのまわりにいる乏しい者に、何をしますか?