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コラム 牧師の書斎から

2021年7月25日 澤村信蔵

 「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです。悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるからです。…義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです。」(マタイ5章2~10節)

 イエス様の教えの中で最も有名なもの一つは、この八つの幸いです。どんな人が幸いだと言われているのかというと、この世の価値観においては、必ずしも幸いではないとみなされる人です。この教えの中で、イエス様は神の世界においては、「どんでん返し」があることを教えてくれます。この世の中では通常、お金持ち、美男美女、また成功者と呼ばれる人が人々の称賛を受けます。でも、イエス様は、神様の恵みは、この世とはまた違う新しい倫理で動く世界にあることを高らかに宣言されます。神様は、貧しい者、苦しむ者、迫害されている者を愛するのだから、私たちも愛するようにと教えておられるのです。そして、イエス様は、ご自分の生涯を通して、このどんでん返しを実践されました。イエス様のそばには、いつも自分は正しいと思う人ではなく、心の貧しい者がいました。周りから罪人だと非難され、自分自身もそうとしか思えないそういう人たちで溢れていました。喜んでいる人以上に、自分の人生が思い通りにいかないで悲しんでいる人たちがいました。イエス様はそのような人たちをご自分のいのちをかけて愛し、この幸いを体験させてくださったのです。そして、イエス様のこの愛は、今日も私たちにも注がれています。そして、あなたを幸いへと導いてくださるのです。