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コラム 牧師の書斎から

2024年10月20日 澤村信蔵

 「ハレルヤ。神の聖所で神をほめたたえよ。御力の大空で神をほめたたえよ。・・息のあるものはみな主をほめたたえよ。ハレルヤ」(詩篇150篇)

 今月の聖書を学ぶ会は、詩篇でした。詩篇は、最も愛読されている書であり、共感する書ですね。神の民が体験した喜び、感謝、賛美、また、悲しみ、恐れ、失望など人生の様々な経験を赤裸々に記しているからです。これらは、時代が変わっても変わらないものです。ぜひ、詩篇を皆さんも読んでみて下さい。詩篇は、大きく分けると2種類に分かれます。一つは、嘆きの詩篇です。痛みや戸惑い、また怒りの祈りなどを表現しています。この世界の問題に注目して、神の介入を求めているのです。私たちもこの詩篇の記者たちの様に、この世の問題に嘆き、憂うことは正しい反応なのです。そして、もう一つは、賛美の詩篇です。この世界の良いものに目を留め、神がなさったことを思い起こし、感謝するのです。この世の問題ではなく、神に目を留める時に、賛美と感謝が生まれてくるのです。そして、面白いことに、嘆きの詩篇は第一巻~第三巻に多く見られ、賛美の詩篇は、後半の第四巻、第五巻になると増えていくのです。そして、最後の5つのハレルヤの詩篇で終わります。これは、まさに私たちの祈りの姿でもあります。この世界また人生に起こる悲劇を見つめる時、様々な葛藤が生まれます。でも、それで終わるのではなく、信仰の目をもって神を見上げる時に、神への賛美と感謝に溢れてくるのです。私たちは今日も、様々な葛藤を覚えていますが、信仰の目をもって神に賛美をささげていきましょう。