コラム 牧師の書斎から
2024年12月29日 澤村信蔵
結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。神は、善であれ悪であれ、あらゆる隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからである。(伝道者の書12章13~14節)
伝道者の書は、ダビデの子であるソロモンが記したと言われています。ただ、同じソロモンが記した箴言とは、趣きが違います。ソロモンの知恵があふれている箴言とは対照的に、ソロモンの愚かさがあふれています。人生を神という存在を抜きにしたとき、ソロモンが出した結論は「空の空、すべては空」(1:2)です。ソロモンは、この地上であらゆることを極めた人です。知恵も、金銀財宝も、快楽も、ありとあらゆることを極め体験しました。それでも、結論は、空です。人生は儚くむなしいものなのです。神を抜きにした人生はなんの意味もないのです。人生に意味を見いだすことができるとすれば、それは、偉大なる神を信じ従うことしかないのです。これが伝道者の書の結論です。しかし、同時に、この書を記したソロモンは、晩年、異教の神を礼拝する妻たちの影響で、偶像礼拝をするようになるのです。これだけ知恵があり、真理が分かっていても、自分自身が神に従うことをしなかったのです。これは、私たちが知るべき大切な真理です。真理を知っても意味がないのです。その真理に生きることが大切なのです。私たちは今日も神を信じ、心から礼拝をささげましょう。