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コラム 牧師の書斎から

2008年7月13日号 小平牧生師

今年も下半期に入りました。みなさんにとってこの上半期はどのような時でしたか。

日本を代表する旧約学者であった左近淑先生は、詩篇23篇の最後の6節を次のように訳しておられます。ぜひ声を出して読んでみて下さい。

「まことに 日々 わたしの生きる限り わたしを追ってくる 限りない恵みだから いつもくりかえして 主の宮に 帰り来る わたし」

左近先生は、その解説の文章にこう記されました。

「われらの一生は長くない。キリスト者としての生はさらに短い。主の恵みから離れて生きるには、主の恵みはあまりにも大きい。」

若くして天に帰った先輩の前川新治兄をその病床に訪ねた時、彼はこの詩篇を開いて私に次のように話してくれました。「牧生君。人は人生の最後まで自分の祝福を追い求めて続けていくけれども、クリスチャンは神様の恵みによって追いかけられて人生を歩んでいくんだ。」恵みを追いかける人生と、恵みに追いかけられる人生。自分はどちらでしょう。私がどんなに熱心に求めていても、自分が追いかけているかぎりは本当に神様の恵みが分からないのかも知れませんね。なぜなら、恵みとは神様から一方的に与えられているものだからです。日々、わたしの生きる限り、わたしを追って…。