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コラム 牧師の書斎から

2010年2月14日 小平牧生師

今日は、バレンタインデーですね。愛する人に愛を伝える日です。日本では、もっぱらプレゼントを贈って愛の告白する機会となっていますが、欧米では家族など親しい間柄で普段あまり口にすることのない「あなたはわたしにとって大切な人です」というメッセージを伝える日になっています。その起源については諸説ありますが、戦いに出る兵士の結婚が禁止されていた三世紀のローマ帝国で、バレンタインという司祭がある一組の愛し合う男女を結婚させたために、捕らえられ処刑されたのが2月14日と言われています。その後ローマ教会にとっての祝祭日となったようです。
ちなみに日本では、私が中学生位の時から、女子が男子にチョコレートを贈るという習慣が急速に普及しました。たぶん私の地元では、神戸モロゾフやソニープラザあたりがそれをたくらんで売り上げをずいぶん伸ばしたと思います。まったくもてなかった私は、同じ境遇の人間とつるんで、一点集中的にチョコレートを集めている奴を(バレンタインのように)処刑しようとしたり、あるいは「渡して欲しい」と預かったチョコレートを食べてしまったことさえありました。最低ですね。要するに、当時の私にとっては、バレンタインデーは「自分はもてない」ということを実感する日だったということです。
ところが、やがて知りました。そんな私も愛されているということです。こんな私の身代わりに死なれた方がおられることです。神様は私たちを愛しておられるのです。みなさんは、自分が愛している人がいっこうにその愛に応えてくれないという経験をしたことがあるでしょうか。ずっと片思いを続けている方もおられるでしょう。愛に応えてくれない。愛を受けとめてくれない。それどころか疎ましがられる。そんな切ない思いを抱いている方もいるかもしれませんね。でも、考えてみると、愛されていながら、その愛に気がつかず、愛に応答していないのは、私たちかもしれません。あなたは愛されているのですよ。