ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2011年1月16日 澤村信蔵師

いまや人気者になってしまいました伊達直人という名前ですが、あのタイガー・マスクの主人公の名を用いて、全国の児童養護施設にランドセルを始め、沢山の贈り物がなされています。最初は、前橋市で、ランドセル10個が児童相談所におかれていたということがきっかけでした。岩手県では、「マネです。日本全国にタイガーマスクが居るんですよ、きっと…。未来ある子供達のために使って下さい。伊達 直人」と、マネをしていることを自ら名乗る人もいました。そして、伊達直人だけでなく、矢吹丈や桃太郎などの多くの有名キャラクターや、時には山下清などの有名人の名を使う人まで現れ、もはや社会現象化していると言ってもいいかも知れません。何か久しぶりに心温まるニュースですね。日本人もやっぱり捨ててもんじゃないな。ただどのようにしたらいいか分からないだけだったのかも知れません。そして、これが一時的な現象にとどまらず、さらに広がっていけたらどんなに素晴らしいかと思います。しかし、多くの寄付が集まる中、児童養護施設側からの要望として、何が必要が聞いてほしい。本当に子どもたちの必要をという声も少しずつ上がってきています。だから物じゃなくてお金にすればということでもないのだと思います。

ヒーローの名前を借りて、今まで素直に行動に移せなかった人が行動に移せたことは素晴らしいことです。しかし、ただ、物を置いていくというだけでは一方的なのかも知れないと思わされます。「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい」(マタイ7章12節)と主イエスは言われましたが、本当は、「私にできることは何かありますか」と声に出し、自ら動くことで、感謝されればさらなる大きな喜びを得ることが出来るのではないでしょうか?

自分のしたいことではなく、相手のしてほしいことを出来るものになりたいですね。