ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2011年10月16日 小平牧生師

「最近の若者はなんだ。目上の者を尊敬せず、親には反抗。法律は無視。妄想にふけって街で暴れる。道徳心のかけらもない。このままだとどうなる。」

「これはだれの言葉だと思いますか?」とある人に聞かれて、思わず「東京都知事かな」と思ったのですが、これは「ギリシャ時代の哲学者の言葉」でした。 いつの時代も、大人は若者に対して同じことを言っているのですね。

「教会に若い人が少なくなった」と言っている大人のあなたによく聞いていただきたいのですが、若者たちは「教会にはモデルがいない」と言っています。これは私たちクリスチャンの大人に対する痛烈なチャレンジでもあります。彼らはよく見ています。「あなたたちの生活や仕事からは、クリスチャンとしての人生観が見えてこない」と、若者は言うのです。「あなたがたは、親や大人の権威を振りかざしているが、夫として、父として、また男として、どうイエスキリストにしたがって生きているのか、その喜びや感動が見えない。見せてくれよ。」というのです。

彼らは、私たちに成功例を話してくれと言っているのではありません。祈って応えられたこともすばらしい。ささげて祝福されたこともすばらしい。しかし彼らが一番聞きたいのは、失敗や挫折を聞きたい。その中でイエスキリストをどのように知ったのか、どのように砕かれ、どのように成長したのかを聞きたいのです。一番の問題は親が子どもたちにそれを話さないことです。その姿が子どもにはつまずきなのです。講壇からではなく、特別な人からではなく、あなたから聞きたいのです。「メッセージが」とか、「若者がいない」とか、「昔はこうだった」と言っているだけでは、若者はますますいなくなります。