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コラム 牧師の書斎から

2011年12月25日 小平牧生師

2011年は忘れられない年になりました。忘れてはならない年であるとも思います。3月11日の大地震、津波そして福島原発のメルトダウン事故によって、日本全体が暗闇の中を歩まされた年でした。いまだに復興のめどが立たない多くの家庭や地域があります。あの日からまだ自分の家に帰っていない人々や、ともに集まって礼拝を捧げることのできない教会があることを忘れてはなりません。もちろん3.11の出来事を別にしても、病気や経済や家庭や仕事のことなど様々な苦しみを抱えてこの年を過ごされた方々が私たちの中にもおられることを覚えています。世界に目をやればいつの時代でもこのような状況は決して特別なことではないとも言えるでしょうか。そのような私たち人間の暗闇の現実の中に、主イエスキリストが人としてお生まれになりました。しかし「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった」ことを、クリスマスの喜びとして心に覚えたいと思います(ヨハネ1:4-)。

ところで、あと一週間で新しい年を迎えます。2012年を祝福の年とするためにいくつかのことを記します。一つは「焦点を絞る」ことです。神様はあなたにすべてはおろか多くのことをしなさいとは言われません。「なぜ私はそれをしなければならないのか。」答えのないことは、きっぱりやめるかだれかに任せましょう。二つ目は、「この時のため!」という感覚を持ちましょう。漠然と生きるのではなく、この時代のために生かされていることを自覚しましょう。人生に責任を負ってハラをくくりましょう。人生の覚悟のある人は苦しみをも乗り越えていくことができます。最後に、「水の上を歩く」ことです。踏み出せば神様が生きておられることがわかります。踏み出さなければわかりませんし、何も始まりません。それが信仰の世界です。よいお年をお迎えください。