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コラム 牧師の書斎から

2013年6月2日 小平牧生師

エリヤという預言者がいます。彼は野人です。聖書においてもっとも預言者らしい預言者のひとりかもしれません。ある時、彼は何百人もの人々を相手に一人で戦って勝利を得ます。しかし、次の日、彼は別人のようになります。言い様のない恐怖に襲われて逃げ出した彼は、「主よ。もう十分です。」と言って、倒れこんでしまいます。前日の激しい闘いで燃え尽きてしまったのでしょうか。そういうエリヤを、神さまは叱咤激励はされません。反対に、眠りを与え、食物と飲物を与え、そしてまた眠らせます。そのようにして、神さまはエリヤを次の新たな務めのために送り出されます。

私はこのストーリーが大好きです。聖会や牧師の研修会などに招かれた時によくお話する箇所です。神さまのために一生懸命奉仕しておられながら、残念なことに多くの方が疲れ果てています。そしてそんな自分を責めたり、さらに鞭打つ人もいます。しかしそのような状態は神さまの喜ばれることではありません。個人的にお話を聞いて「もっと食べたほうがいいよ。」「もっと休んだほうがいいよ。」そういうアドバイスをすることが多くなりました。神さまのために働いて疲れ果てている状態を、神さまは喜ばれるはずはないのです。

私たち人間は、霊と心とからだによって成り立っています。からだが生きていても霊において死んでいるなら、それは神さまから離れているままの姿です。そのような私たちに、神さまはイエスキリストによって霊のいのちという宝を与えてくださいました。その宝を入れる器がからだです。不思議なことですが、からだのリズムが整えられると、霊的にも満たされ、心も健やかになっていくようです。