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コラム 牧師の書斎から

2013年12月22日 小平牧生師

クリスマスおめでとうございます。

愛する皆さまとご家族の上に神さまの豊かな愛が満ち溢れますように。

ところで、「クリスマス」はいつごろからこのように祝われるようになったかご存知ですか。それはイースターやペンテコステよりも遅く、エルサレムやベツレヘムではなくローマ帝国の首都ローマでのことです。336年12月25日という記録があります。

もちろん、聖書をどんなに調べてみても12月25日にイエスキリストが誕生したという記述はありません。そのためにそれ以前には、別の日をイエスキリストの誕生日として祝うこともありました。たとえば有名なのは1月6日、その他にも3月28日とか4月2日など、特に春の季節に降誕記念日を定めようとする試みが多かったようです。もしそれが定着していれば、クリスマスの雰囲気や習慣は現在のものとはずいぶんちがうものになったでしょうね。

そのような中で12月25日となったのは、当時のローマでその日に行われていた「太陽の祭り」という冬至のお祭りを、真の太陽であるイエスキリストの誕生日として、新しくその意味を代えて教会が取り入れたからです。そして、その準備の季節としてアドベントが定められるようになり、クリスマスを待ち望むと同時に、自分たちの信仰と生活を省みる期間として守られるようになりました。おわかりのように、これはイースターに備えるためのレントがその土台にあったわけです。

このように、クリスマスは歴史的な意味でイエスキリストがこの日に生まれたことをお祝いする日ではなく、信仰的な意味でイエスキリストの誕生の事実を祝い、その意味を確認する日として定められたのです。

クリスマスは大いに喜び、祝い楽しみましょう。しかし同時に自分自身をふりかえって考える時ももちましょう。私にとってイエスキリストはいったいだれなのか。イエスキリストを主とするとはどういうことなのか。原点に帰って、新しく歩み出したいと思います。