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コラム 牧師の書斎から

2014年2月23日 小平牧生師

教会は何のためにあるのでしょう。一般的な種類分けで言うならば、企業などに代表される営利組織ではなく非営利組織です。利益をあげることが目的ではないということです。では非営利組織の目的は何でしょうか。その組織に所属する人々の幸福感でしょうか。それも大切なことですが、それが目的ではありません。いろいろな表現で定義できると思いますが、私の好きな定義は「人と社会への永遠の貢献」という定義です。教会は、すべての人々が神によって創造された目的とその価値を知り、永遠のいのちを獲得し、そして与えられた人生をその目的と価値にふさわしく生きていくことができるように、礼拝、交わり、教育、奉仕、伝道の働きを行います。これこそ教会に与えられた最高の貢献であり、永遠の貢献であり、教会にしかできない貢献です。

そのような教会にとってもっとも大切なこと、それは教会を構成する私たちがその使命をたえず明確にして、その使命とともに生きることです。教会から使命が見失われたら、教会は仲良しクラブかつまらない教会になります。クリスチャンが「賛美やメッセージで感動した」で終始しているようであれば、教会は閉鎖的な自己満足集団になります。しかし、もし教会が使命によって一つになるなら、考え方や行動様式の様々な違いも乗り越えていくことができます。それどころかその多様性は強みになり、一致した方向性と人々の献身を生み出すことができます。

P.ドラッカーは次のように書いています。「非営利機関に関わる人間が、繰り返し繰り返し自分自身と組織について問いかけるべき究極の問題は、こういうことだと思う。『貢献と成果について、自分はいかなる責任をもつべきか。貢献と成果についてこの機関はいかなる責任を負うべきか。この機関と自分は何によって記憶される存在となるべきか。」

問題は人が少ないことではありません。賜物がないことでもありません。一人一人が自分に問いかけようとしないことです。「私は神が与えた使命に対していかに的確に生きているか。どのようにするならさらに焦点の合った人生を生きることができるだろうか。」と。