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コラム 牧師の書斎から

2014年12月28日 澤村信蔵師

先日ある方に尋ねられて、「きよしこの夜」の原詩の訳を調べる機会がありました。せっかくなので、以下にその原文の訳(ヴェルナートゥースヴァルトナー 著 大塚仁子訳 アルファベータア社)を記します。

(1)静かなる夜、聖なる夜。みなは眠り、目覚めているのは睦まじき聖なる二人だけ。巻き毛の愛くるしい幼子が天の静けさにつつまれて眠る。

(2)静かなる夜、聖なる夜。神の御子のああその微笑みは、神々しい口元が愛らしく救いのときがきたと告げる。汝の誕生により。

(3)静かなる夜、聖なる夜。今宵、この世に平和がもたらされた。金のように家が書く天の高きところより、全能の神はあふれるほどの慈悲を示された。イエスが人の姿となって。

(4)静かなる夜、聖なる夜。今日、全能の神は、慈悲の愛を注ぎ、イエスは兄弟として慈悲深く、世界の民をつつみ込む。

(5)静かなる夜、聖なる夜。久しく我らは望み続けた。憤怒より我らを救いたまえ。遠い昔、我らの父祖の時代から神は、すべての民に思いやりの心を約束した。

(6)静かなる夜、聖なる夜。天使は神を称え、喜びは初めに羊飼いにつげられた。そちこちで歌声が響く、救い主が生まれた。

現在の歌詞は3節だけで、それも(1)(6)(2)の順番で歌っています。すぐにイメージが広がりやすいものだけを歌っているので多くの人に好まれるのでしょうが、大切な真理は(3)(4)(5)にあります。

(3)主イエスを人となってくださるという神様のあふれる慈愛が示された。(4)それは、主イエスを通して、世界中の人に神の愛が注がれるため。(5)そして、それは神の預言の通りで、罪の裁きではなく、赦しを与えるための神のわざであったと。ムードだけで、福音の本質が歌われなくなっているのは残念なことですね。ちょうど日本におけるクリスマスのようです。福音の本質から目をそらすように働く力があるのでしょう。でも、私たちは、私たちを救うために、人としてお生まれになった主イエスを心から賛美しましょう!