ここからコンテンツ

コラム 牧師の書斎から

2015年10月4日 澤村信蔵

先日、ある方から問い合わせの電話を頂きました。ホームページに記してあるコラムについて質問があるという内容でした。最初、何か間違いや、どなたかに失礼のある内容を書いたのかとドキドキしましたが、そうではなく、コラムの書いてある内容について、もう少し詳しく説明してほしいというものでした。数年前のコラムなので正直何を書いたか覚えてはいなかったのですが、その方が一番聞きたかったのは、どうして神がおられるなら、この地上に悪がなくならないのかということでした。この問いは、多くの人が直面する問いです。

神がいるのに、この地上に悪がなくならない第一の理由、それは神が私たちを愛しておられるからです。もし、神が無慈悲にというか、愛なしで、義だけで私たちの世界に介入されると、まさにノアの洪水のように、すべての人が滅ぼされてしまいます。私たちは非常に悪質な悪だけに介入してほしいと思っています。そして、身近な自分がふとしてしまうような悪は、見過ごしにしています。でも、神にとって、悪や罪というのは、どんなに小さくても、悪は悪、罪は罪です。すべてに介入されるとすれば、無条件で私は滅ぼされてしまいます。

二つ目の理由は、私たちは神がどのように介入してくださったかを知らないということです。私たちは自分たちが目にする悲惨な状況に目を向けて、なんでこんなことが起こるのかと憤りを覚えます。でも、神が介入してくださって、そのいくつかをとどめてくださっていたとしても、私たちは、知ることさえ出来ないからです。私たちが目にすることが出来る現実は、神がすでに介入してくださった結果だからです。

そして、何よりこの地上に悲惨な出来事が起きるその原因は、人間の罪にあります。でも、その私たちを愛して、ひとり子とともに恵みを与えようと神がおられるのです。「私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された方が、どうして御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう。」(ローマ8:32)神の最善を信じて今日も神とともに歩んでいきましょう。